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『しりたがりやのこいぬと おひさま』 イバ・ヘルツェコバーさく ズデネック・ミレル絵 ちのえいいちやく 偕成社 1974年
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あどけないぼうやのように、天真爛漫好奇心満々の、しりたがりやのこいぬの冒険物語。 おひさまのじりじりと暑い日、こいぬが昼寝をしている間に、お皿の水が空っぽになってしまいます。 昼寝用の雲のまくらにと、ちょっぴりこいぬの水を借りたのはおひさま。 もちろんそんなことは知らないこいぬは、誰かが水をぬすんだと大騒ぎ、犯人探しを始めましたが・・・。
楽しいこいぬの夢一杯の冒険と一緒に、身近な野の自然や、科学にもちょっぴり触れることができます。 子どもたちに夢を与える、健やかなおひさま絵本。
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原書は『JAK SLUNICKO VRATILO STENATKU VODU』1970、Olimpia in Czechoslovakia とあります。(正しい表記ができなくてごめんなさい) 2004年待望の復刊を遂げた、愛らしい永遠のワンちゃんの絵本。画像はセブンアンドワイ書店にありました(クリックすると詳細がごらんいただけます)
 このあどけないぼうやのような、天真爛漫のおひさまの顔、これぞ私の中のチェコのおひさま!という感じです。
雲ひとつない暑い暑い日、小屋の中でくうくう昼寝をしているこいぬを見たおひさまは、自分も昼寝がしたいな、と、まくらになるものを探します。 そしてこいぬのお水の入った皿を見て、 「ねむっているときには、みずはいらないな」 と、その水を蒸発させて、小さな雲の枕をこしらえます。
のどがかわいて目を覚ましたこいぬは、お皿の水がいつのまにか空っぽになっているのを見て、誰かがぬすんだにちがいないと、犯人探しを始めます。 まずとおりがかったあひるに丁寧に尋ねるものの、怒らせてしまい逃げ出して、牛に威勢良くたずねるものの、おそろしくなって逃げ出して、じょうろを見つけるものの、ひっくり返して、やっと見つけた水をたちまち全部地面に吸い込ませてしまいます。 「わかったぞ、みずがどこへにげていったか。じめんのなかだ!」 と、こいぬがぬれた地面をどんどん掘ると、出てきたのはみみずでした。 それではいったい誰が、こいぬの水をとったのでしょう?
しりたがりやのおとぼけワンちゃんの愉快な勘違いが、ズデネック・ミレルさんの生き生きとしたやわらかな色彩のイラストで、ひとつひとつ順を追って楽しめます。 こいぬの視点で描かれているので、ふだん見過ごしてしまいがちな、地面の上の小さな生き物や草花も、独特の愛らしい姿でたっぷりと愛でることができます。 のどかで豊かで美しい自然を眺めているだけでも、心がのびのびするようです。 空の、地上近くのやわらかでさわやかな水色、おひさまのまわりのほんのりした黄色と、見ているだけで心がほのぼのするようです。
こいぬが追いかけている水は、実はおひさまが蒸発させて雲にしていて、そして・・・という物語なのですが、こいぬのほほえましい物語をおりまぜながら、知らぬ間に小さな科学にもふれているという、とっても贅沢な絵本です。
こいぬと同じくらい愛らしく描かれているおひさまですが、にこにこと親しみやすい雰囲気ながらどこか物静かな威厳を感じるのもやはりおひさま。 こいぬがおひさまに会う場面では、高い空の上にいるのと、おひさまに向かってお願いしているのとで、さすがのこいぬもおじけづいてしまうのですが、おひさまがちゃんとやさしくこいぬのいうことに耳をかたむけてくれるので、読み手も安心。 ほほえましくて夢があって、ひなたぼっこみたいに心がぽかぽかしてくる感じです。
ところで、この絵本のアニメーションを、しばらく前に映画館で実際にみることができたのですが、絵本の雰囲気愛らしさ美しさそのままに、ちょこまかのぴのびと目の前で動き、楽しくしゃべるしりたがりやのワンちゃんたちに、3姉妹ともども「うわあ」と、感動することしきりでした。 配給元のアット・アームズさんのHPのズデネック・ミレルさんのフィルモ・グラフィーを見ると、なんと1960年に制作されたものなのですね! その色褪せない輝かしい魅力にびっくりです!
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『しりたがりやのこいぬと みつばち』 イバ・ヘルツェコバーさく ズデネック・ミレル絵 ちのえいいちやく 偕成社 1974年 |
花咲く野原でみつばちを見つけたしりたがりやのこいぬは、追いかけるうち、みつばち小屋のみつを食べてしまって、おこったみつばちに体中さされてしまいます。 その夜、こいぬが見た不思議な夢は・・・。
とれたての蜜の美味しそうなこと! 咲きみだれる草花の美しいこと! こいぬはここでも無邪気で無鉄砲で、調子に乗りすぎて失敗もするけれど、へこたれずくじけず、明るくまっすぐて正義感も強い。まるでどこかのわんぱくちびっこみたいですよね。 やわらかな色彩もリズミカルなデザインも、目に心地よいおしゃれな絵本。
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原書は『JAK SKENATKO DOSTALO CHUT NA MED』1970、Olimpia in Czechoslovakia とあります。
なつでした。たんぽぽや、なでしこや、つりがねそうや、しろいはな、きいろいはな、いろいろなはながさいていました。とってもいいにおいがしています。おひさまも、にこにこしています。こいぬもうれしくって、のはらをかけまわっていました。 ・・・。
物語の始まりの、やわらかな日差しと花いっぱいのアルバムのようなページの美しいこと。フィルムのコマわりのような、ポストカード集のような、リズミカルなページの、愛らしいこと。 元気なこいぬの動きを丹念に追いかけ、整然と並べられた4コマの構成の見開きのページは、アニメーションフィルムを思わせて、つぎつぎと眺めるだけで頭の中で動き出すよう。
大切なみつを食べてしまったために、みつばちにさされて大怪我をしたしりたがりやのこいぬが、その夜見た不思議なみつばちの夢。 安定した美しいフォルムで描かれる可憐な草花の合間を縫って、幾何学的な連続模様の美しいはちの巣のイラストに導かれながら、私たちも、みつばちの習性ついて、その貴重なみつの作り方について、楽しく学ぶことができます。 読み終えたら、金色にとろりと輝くはちみつが食べたくなるような、無垢のはちみつのかたまりをかみしめたくなるような絵本。
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『しりたがりやのこいぬと たまご』 イバ・ヘルツェコバーさく ズデネック・ミレル絵 ちのえいいちやく 偕成社 1974年 |
このたくさんのたまごをぼくがあたためてかえしたら・・・。 あどけない思いつきを、めんどりに笑われてもあきらめず、一生懸命自分なりにかなえようとするしりたがりやのこいぬと一緒に、謎のたまごの成長を見守るほほえましい絵本。
指し色の黒色がきりりとひきたって、いつまでも眺めていたい愛らしさ。
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原書は『JAK CHTELO SKENATKO MALE PEJSKY』1966、Olimpia in Czechoslovakia とあります。
ほそいつきがでているよるのことです。にわのほうから、ききなれないおんがくがきこえてきました。 こいぬが勇気を出して垣根のむこうの池に近づくと、音楽は急にやんでしまいました。 すいめんには、まるであやしいものがかくれたかのように、まるいわがいくつもひろがっていました。 ・・・
で、始まる、なぞめいた青紫色の夜の場面と、おひさまの輝く水色の昼の場面の対比も美しく、めんどりのたまごと、こいぬのみつけたたまごの、可愛い勘違いも楽しい絵本。 「めんどりがあたためるとひよこができるなら、いぬのぼくがあたためれば・・・かわいいいぬがうまれるにちがいない。」 と、こいぬは考えます。 かあさんめんどりは、とんでもないと笑いますが、こいぬは真剣そのもの。こいぬらしい頑張りで、ある日とうとう生まれたなぞのいきもののお世話をして、その不思議な成長を見守ります。
洗練されたフォルムでまろやかに描かれた自然描写の中に、ヒントがたくさんちりばめられているので、このまるいたまごが何のいきものなのか、こいぬやめんどりより先に、わかってしまう子も多いかも。 丁寧にひとコマひとコマ描かれたイラストを追いながら、正体不明の疑惑のたまごの成長に一喜一憂する素直なこいぬを、いつしか一緒に応援したくなる絵本です。
こいぬなりのけなげな頑張りが、子どもの立派な成長という、いちばん嬉しい形で実を結んだ結末に、めんどりならずとも、じっと聞き入ってしまいますよね。
嬉しい復刊のシリーズ、よろしければ図書館などでお読みになってくださいね。
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