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『しろいうさぎとくろいうさぎ』 ガース・ウィリアムズぶん、え まつおかきょうこやく 福音館書店
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しろいうさぎとくろいうさぎが、ひろいもりのなかに、すんでいました。 まいあさ、二ひきは、ねどこからはねおきて、あさのひかりのなかへ、とびだしていきました。 うまとびをしたり、かくれんぼをしたり・・・。
しばらくすると、くろいうさぎは、すわりこんで、とてもかなしそうなかおをしました。
「どうかしたの?」しろいうさぎがききました。 「うん、ぼく、ちょっと、かんがえてたんだ」 くろいうさぎはこたえました。 ・・・。
しろいうさぎとくろいうさぎ、2匹の小さなうさぎの大きな愛を、素直にたからかにうたいあげた祝福の絵本。
毛並みの一本一本まで真心をこめて描かれた愛らしいうさぎたちが、しっとりとけぶるように美しい幻想的な野原を軽やかにはねながら、真実のゆるぎない愛の姿を確かめます。
いつも、いつも、いつまでも・・・ 年齢を、言語を、民族をこえて、あらゆる人に新しい喜びと感動を与えてくれる、永遠の絵本。
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福音館書店さんのロングセラー絵本、大人にも子どもにも愛されつづける不朽の名作、邦訳の初版は1965年とあります。
しろいうさぎとくろいうさぎの小さな「愛」の物語。 ふわふわですべらかな、思わずなでてしまいたくなるうさぎの毛並み、生き生きとした愛くるしい瞳、墨絵を思わせるような淡くやわらかなタッチ・・・、極上のシルクのような絵本です。
少し心配そうなくろいうさぎの「かんがえごと」「ねがいごと」を、聞かされたときの、しろいうさぎのまんまるくしっかりと見開かれた大きなお目目。 しろいうさぎの言葉にはっとする、くろいうさぎのまあるいお目目。 二匹のちいさなうさぎの、大切な気持ちが一つに通じ合った、生まれたての瞬間です。
素直でまっすぐなテキストと、ひたむきで美しいイラストから、さまざまなメッセージをつむぎだすことの出来る、小さな愛の喜びと祝福の絵本。 たぶんみなさまご存知だとは思いますが、ぜひ図書館などでお読みになってくださいね。
原書は『THE RABBIT'S WEDDING』Happer&Row,Publishers,Inc.,New York.1958年。
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『Rabbits-Wedding』 Harpercollins Childrens Books
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『うさぎのおうち』 マーガレット・ワイズ・ブラウンさく ガース・ウィリアムズえ 松井るり子やく ほるぷ出版
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春の喜びにあふれたみずみずしく美しい野原で、一匹の茶色いうさぎがおうちを探して走っています。
ここはどうかな? 春を歌う小鳥の木の上も、かえるの水の中も、うさぎには住めません。
おうちを求めてうさぎは走って走って・・・、そして、一匹の白いうさぎと出会いました。 「きみのうちはどこ?」 それはね・・・。
春の動物たちとの出会いを繰り返しながら、リズミカルに歌うようにつむがれるテキスト、つぶらな丸い瞳、つややかでなでたくなるような毛並み、ひげの一本一本までも、愛らしく心を込めて描かれイラスト・・・。 春の穏やかな光にやわらかく包まれた、美しく喜ばしい、宝物のような作品。
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原書は『Home for a Bunny』Random House, Inc.,初版は1956年とあります。アマゾン洋書ではこちらなど↓
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『Home for a Bunny (Big Little Golden Books)』 Golden Books
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少し前の、嬉しい嬉しい復刊です! やわらかでふくよかな春の日差しにぴったりの、よろこびとしあわせのいっぱいつまった、愛らしい茶色いうさぎのおうちさがしの絵本!
「こうさぎがみちをかける じぶんのうちをみつけたくて うさぎのおうち ぼくのうち いわのかげか いしのしたか みきのうろか つちのあなか どんないえがいいかなあ」
黒々つやつやとしたビー玉のような、つぶらで愛くるしい瞳、一本一本までもなでたくなるような毛並みやひげ、しっぽの、身近な野の動物たちが、可憐な草花とともに、みずみずしく、いのち輝かしく描かれています。
「こまどりさんのうちはどこ?」 「ここですよ このとりのすがわたしのおうち」 小さななぞなぞのように、うさぎが動物たちのおうちをたずね、動物たちがそれに応じます。それぞれの持ち味をぴったり生かしたすてきなおうち・・・つまり、ほかの動物には残念ながらぴったりこないおうちに、うさぎも読み手の子どもたちもすぐ気がついて、 「ほかをさがしにいってみよう」
そしてどんどん茶色いうさぎがかけていくと・・・。
いつ読んでも、何度読んでも、読むたび春の陽だまりにつつまれて、喜びの泉があふれてくるような、とても美しい宝物のような絵本。
ちなみに、『うさぎのおうち』は、かつて文化出版局から、『いっしょにすもうね ちゃいろのうさぎとしろいうさぎ』として、出版されていたことがあるのですが、長く品切れが続き、本当に復刊が望まれていた絵本でした。こちらの訳(中川健蔵訳)もリズミカルで美しいので、図書館などに蔵書がありましたらお読みになってくださいね。
なお、テキストのマーガレット・ワイズ・ブラウンさんが、別の画家(レナード・ワイズガードさん)とコンビを組んだ、うさぎの絵本についてはこちらにも。
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さらに、マーガレット・ワイズ・ブラウンさんと、ガース・ウィリアムズさんのコンビの、初邦訳のこの絵本も、少し前についに出版がなされたのですって!
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『ミスタードッグ ぼくはぼくだけのぼく』 マーガレット・ワイズ・ブラウンさく ガース・ウィリアムズえ 木本栄やく 講談社 2005年
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あるところに、かわりもののいぬがいました。 なまえは「クリスピンのクリスピン」。 クリスピンであるぼくは、クリスピンであるぼくだけのもの。 そうおもっているから、こういうなまえなのです。
ワンダフルな哲学犬(?)のクリスピンのクリスピンが、ある日出会った男の子と意気投合して、意気揚々とおうちに帰ります。 そして・・・。
愛嬌と夢のあるテキストと、茶目っ気と洒落っ気のあるイラストで、いつだって安心して楽しめる、わたしだけのわたしのえほん!
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「ぼくはぼくだけのぼく」なんて、耳にしても口にしてもおかしな楽しい言葉ですよね。 「これはだれの?」「○○ちゃんの!」などなど、自分のものと他人のものの区別がついて、特別の愛着もわくようになった小さい子が、耳ざとく反応しそうな言葉です。
原書は『Mister Dog: The Dog Who Belonged to Himself』Random House, Inc.,初版は1952年とあります。 アマゾン洋書ではこちらなど。↓
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『Mister Dog: The Dog Who Belonged to Himself (Little Golden Book Classics)』 Golden Books
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この絵本の邦訳が、ついに読めるなんてすばらしい! 上記『うさぎのおうち』のふっくらとしたタッチに、かわりものの犬のワンダフルなお話にぴったりのコミカルな雰囲気を加えた、明るい楽しいタッチのイラストです。
物語は・・・
あるところに、かわりもののいぬがいました。 なまえは「クリスピンのクリスピン」。 クリスピンであるぼくは、クリスピンであるぼくだけのもの。 そうおもっているから、こういうなまえなのです。
クリスピンのクリスピンとは、何だかとっても哲学的かも! そして、テキストも何だか呪文めいていて、早口言葉みたいで愉快です。
まいあさ、クリスピンがクリスピンをおこします。 そしてクリスピンがクリスピンのあさごはんをよういします。 ・・・。
主人公が犬で、どちらかといえば一般的に犬は「誰かの」犬であることが多く、「誰のものでもない」犬は普通「野良犬」などと呼ばれがちであることをふまえれば、小さな居心地のいいおうちで一人できちんと暮らすクリスピンが、ただのクリスピンではなくて「クリスピンのクリスピン」であると誇り高く(?)主張することはしごくごもっともかもしれませんね。
そして、このクリスピンのクリスピンが散歩をしていると、犬の仲間たちに出会ってごあいさつ。しばし帽子もすっとばして犬らしく追いかけっこをして遊びます。 続いてねこやうさぎたちに出会って、また犬らしく四足で一緒に駆け回って・・・、どしん! 小さな可愛い男の子にぶつかりました。
「きみはだれのいぬだい?」 たずねる男の子に、 「えっへん。『ぼくはクリスピンのクリスピン』・・・」 男の子も答えます。 「ぼくはジミー。ぼくだってぼくだけのものだよ」 クリスピンは気に入って、「ジミーのジミー」を自分のおうちに招きます。 ここでは颯爽と、帽子をかぶって二本足で、ジミーと並んで歩いているところがワンダフル。 そして・・・。
おままごとみたいに愛らしくあどけない夢いっぱいの、ほのぼの楽しい物語。 子どもたちの素直な期待をうらぎらず、ひとつひとつやさしく展開する物語がきちんと丁寧に描かれていて、とても居心地のいいおうちのように、何度でも安心して読み返せる絵本です。
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『だからそっと おやすみなさい』 マーガレット・ワイズ・ブラウン ガース・ウィリアムズ絵 木本栄訳 講談社 2004年10月 |
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少し前に出た、マーガレット・ワイズ・ブラウンさんと、ガース・ウィリアムズさんの黄金のコンビの初邦訳絵本です。 原書は『THE GOLDEN SLEEPY BOOK』コピーライトは、1948 by Random House,Inc.さらに、renewd 1976 by Random House,Inc./U.S.A.とあります。 初版は1948年なのですね・・・。
50年以上時を経て、海を越えてやってきた「はじめまして絵本」。
アマゾン洋書ではこちら。
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『The Golden Sleepy Book (Big Little Golden Book)』 Random House Childrens Books |
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表紙のねむたげなくまさんの大あくびを眺めているだけで、もうこちらまでおめめがとろん。 本文には、 「ねむくてしかたがなかったうさぎ」、 「おしえてうさぎさん」、 「ゆめみごこちなこうさぎ」・・・ などなどの、お休み前の小さなお話が全部で7編おさめられています。3つの短編と4つの詩・歌、だそうです。 それぞれに、ガース・ウィリアムズさんのいろいろなタッチの眠たげな動物たちのイラストが、カラーあり、モノクロありで添えられていて、眺めているだけでもゆったり穏やかな気持になれそうです。
| 「ねむくてしかたがなかったうさぎ」 |
『うさぎのおうち』(ほるぷ出版) のみずみずしいタッチのような、夜露を絵にしたためたような、月明かりの美しいイラストで、大変好みです。ガース・ウィリアムズさんならではのくりくりとしたお目目と、つやつやふくふくとした毛並みがチャーミングこのうえなし。 さらに、小さなないしょ話のようなテキストにも静かに心惹かれます。
うさぎが大あくびをして、思わずとびこんだみつばちを飲み込んでしまいます(!)。 そして、ねむくてしかたのないうさぎののどで、みつばちは丸くなって眠ってしまうのです。 さあたいへん。 みつばちをどうやったら起こせるでしょう?
小さなみつばちの目を覚まさせる意外な、そしてもっともな方法が、とても詩的で素敵でとっておき。
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| 「ゆめみごこちのうさぎ」 |
のイラストは、『キャプテンうみへいく』(徳間書店) のような、比較的シンプルで軽やかなタッチです。
テキストは、朝の早いひとりの時間が好きで、日中はキャベツの葉の中で夢見ごこちに過ごしてばかりのうさぎ、ネムネムリーの物語です。(この、ネムネムリーという翻訳のお名前の響きも好きです) せっせと働く仲間たちからは少し変わった、眠ってばかりのうさぎだ、と思われています。でもネムネムリーは、夢うつつに見えながら、実は多感でナイーブで、周りの様子をつぶさに静かに眺めているのです。 ある日、静かな森の様子が、いつもと違うことに気がついたのは、うとうとしているように見えたネムネムリーだけでした…。
うさぎつながりだからか、『しろいうさぎとくろいうさぎ』(福音館書店) のうさぎたちのモチーフをどこか思い出すような、素敵な雰囲気のお話でした。あるいは、『まんげつのよるまでまちなさい』(ペンギン社) (画像は洋書『Wait Till the Moon Is Full』)を思い出すような。
作者の、変わったうさぎ・ネムネムリーに対するまなざしに、とてもあたたかいものを感じます。
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こんな静かなお話や詩を読み聞かせて、そっと絵本を閉じれば、毎晩力尽きるまでわいわい騒がしい3姉妹もすんなりお休みしてくれる…かなあ?
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『キャプテン うみへいく』 マーガレット・ワイズ・ブラウン文 ガース・ウィリアムズ絵 ひがしはるみ訳 徳間書店 2003年 |
「おいらはやっぱりふなのりになりたいんだ」
飛行機でもなく、潜水艦でもなく、地下鉄でもなく、どうしても船に乗りたかったキャプテンの、まっすぐな夢をつらぬいた、爽快な冒険物語。
誘惑にも嵐にも負けず、夢と海とともにのびのびと生きるキャプテンが、軽やかで明るい色彩のシンプルなタッチで描かれています。
小さな夢が大きくふくらむ、頼もしい絵本。
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上記『だからそっとおやすみなさい』と同じコンビの絵本です。 原書は『The Sailor Dog』1953 by Random House,Inc.,Copyright renewed 1981 by Random House,Inc.と、あります。 初版は1953年なのですね! アマゾン洋書ではこちら。
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『The Sailor Dog (Golden Books Family Storytime)』 Golden Books |
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さらに、表紙の微妙に異なる、リトル・ゴールデン・ブックス版も。
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『The Sailor Dog (Little Golden Book)』 Golden Pr |
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さて、『キャプテンうみへいく』です。 「ゆめをかなえたいぬのものがたり」と、カバー見返しの紹介にあります。 帆を張り、胸を張る力強い表紙の通り、まっすぐな意思と勇気が痛快で、へこたれない行動力が頼もしい、楽しい絵本。
いぬのキャプテンは、船乗りになりたくて旅に出ます。 すると飛行機が止まっていて、 「おひとりのれますよー」。 キャプテンは言います。 「のらないよ、おいらがいきたいのはそらじゃない」。
また行くと、今度は潜水艦が止まっています。 「おひとりのれますよー」。 「のらないよ、おいらがいきたいのはうみのなかじゃない」。
また行くと…。
マーガレット・ワイズ・ブラウンさんの楽しいテキストは、心地よい繰り返しが用いられていて、耳になじんた昔話のよう。 キャプテンが洋服をしつらえる場面でも、 「むらさきいろのぼうしはへんてこでしたが、しろいぼうしはよくにあいました」 というように、あれとこれとの丁寧な比較があったり、耳で聞く子どもたちが、飽きず楽しめるように、細やかに細工が施されている感じがします。 小さい子ほど、一つ一つの細かな描写を耳で聞き、それを絵で確かめることが好きですものね! 遠足前夜のリュックサックの持ち物の再点検のように、一つ一つ誠実に確認していけばいくほど、何だか一緒にどきどきわくわくしてくるようです。
ガース・ウィリアムズさんの海のイラストは、藍色、青色、碧色…と、他の邦訳絵本のなかで、ちょっと珍しい寒色系のタッチのように思えて、新鮮でした。
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さらに、ガース・ウィリアムズさんの描いた、海に出るうさぎの冒険物語はこちら。
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『ベンジャミンのたからもの』 ガース・ウィリアムズ こだまともこ訳 あすなろ書房 2002年
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ウサギのベンジャミン・ピンクは、おくさんのエミリー・ピンクといっしょに、海のそばの、クローバーが丘の小さな白い家に住んでいました。 ある夏の朝、ベンジャミンはボートをこいで魚釣りに出かけて、嵐にあってしまいました。 ひろい海でひとりぼっち、ボートも壊れながら、ベンジャミンがやっとながれついた先は、小さな無人島。これではエミリーのところへ帰れそうもありません。
ベンジャミンが家を作るために、穴を掘り始めると、何かずいぶんと大きなかたいものにぶつかりました。金銀宝石のいっぱいつまった、宝箱です!
「なにがあってもエミリーとクローバーがおかのみんなに、たからものをもってかえってやりたい」 決心したベンジャミンは・・・。
たびかさなる災難にもくじけず、明るく元気に乗り越えたベンジャミンが、大冒険の果てに、手に入れた本当のたからものは・・・。
ガース・ウィリアムズさんの残した愛らしいうさぎたちに、慎重に選ばれた現代の色彩が施され、また一つ宝物がよみがえりました。
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原書は『Benjamin's Treasure』。2001年コピーライト(彩色)。
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『Benjamin's Treasure』 Harpercollins Childrens Books |
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もともとのオリジナルは、ガース・ウィリアムズさん(1912-1996)が文章もイラストもお書きになったもので、『The Adventures of Benjamin Pink』1951 copyright,renewed 1979 by Garth Williams、とあります。 2001年の『Benjamin's Treasure』は、ガース・ウィリアムズさんの原画に、ローズマリー・ウェルズさんという絵本作家が、他の作品を参考にしながら当時の絵の具を用いて、新たに彩色を施した絵本、だそうです。 ガース・ウィリアムズさんの描くふわふわの毛並みのうさぎが、新しい風をうけて、親しみやすい絵本となって、今の私たちにも手に取れるなんて嬉しい限り。
物語は・・・ ウサギのベンジャミン・ピンクは、おくさんのエミリー・ピンクといっしょに、海のそばの、クローバーが丘の小さな白い家に住んでいました。
気持ちのよく晴れたある夏の朝、ベンジャミンはお弁当と釣竿を持って、エミリーに見送られ、ボートで魚釣りに出かけます。 「さあ、おいしいさかなを、どっさりとってくるからね」 ところが、なかなか魚がかからないでいるうちに、ぽつんと雨が降ってきて、たちまち嵐に巻き込まれ、釣竿もボートも失って、たどり着いたところは小さな無人島。
これではもう、エミリーのところへはかえれません。 「あーあ。でも、ここでくらすのならうちをつくらなきゃ。」
ベンジャミンは持ち前の明るさで、がんばって穴を掘り始めました。くたびれるとノイチゴをつんで食べ、ハッカのはっぱでハッカのおちゃもいれました。だんだん居心地のいい穴ができかけたとき、何かかたい大きなものがうまっているのを見つけました。
金、銀、ルビー、真珠・・・宝箱です!
「すごい。すごい。これだけあれば、エミリーになんでもすきなものをかってやれるぞ。 それから、うさぎがおかのみんなにもプレゼントをしよう。・・・」
ベンジャミンはやさしくて強くて頼もしいうさぎ、災難にもくじけず立ち向かい、困難も一つ一つ元気と勇気で工夫をこらして乗り越えて、いつだってエミリーへの愛情も、みんなへの思いやりも忘れません。
さあ、宝箱を、エミリーとみんなのもとへ持ち帰るべく、準備万端、助けを待ち続けていたある日、一匹の大きな年寄りのカメがあらわれました。 「おまえさんはからだが小さいからだいじょうぶ。クローバーがおかまでのせていってあげるよ」 カメのテオの親切な申し出に、ベンジャミンは宝箱をどうしても運びたいと打ち明けます。 テオはのんびりとあくびをして、「ふわぁー・・・、あのはこのことかね。あれは、300ねんくらいまえにかいぞくがやってきてうめていったのさ・・・。」 それからベンジャミンをじっとみて、「宝物のことなど忘れたほうがいい」と忠告してくれますが、ベンジャミンは聞き入れません。 そして・・・。
からりと晴れた夏の空のように、明るく楽しい海の冒険を読みながら、本当に大切な宝物を、ベンジャミンと一緒に見つけるさわやかな物語。
上記の『キャプテンうみへいく』の海の冒険のモチーフと、『ベンジャミンのたからもの』のそれは、それぞれにまったく異なるのですが、どこかでつながりがあるのかも、などと、想像すると何だかわくわくしてきます。 両者の宝箱の中身と、その意味をくらべっこなどしても面白そうです。
それから余談ですが、『キャプテンうみへいく』 も、『ベンジャミンのたからもの』 も、奇しくも物語の最後の場面を表紙に用いています。どちらもよく見ると、主人公の前を見据えて、片手を引いて、片手を前に出したポーズ。どことなくよく似ているように思えませんか?似ているだけに、それぞれの物語の持つメッセージがくっきりと際立つように思えて、個人的にとても興味深さを感じました。 どちらも、ついに自分のいちばん大切なものを手に入れた、すがすがしい物語。 よろしければ図書館などでお読みになってくださいね。
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