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『冬の王さま シェイプブック』
田中真理子 訳 松本富士男 監修・解説 燦葉(さんよう) 出版社
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150年にハンブルクで発行された小さな絵本。 サンタクロースの原形の一つでもある、「冬じいさん」の最初期の物語。 絵本の前半には、冬を擬人化した「冬の王さま」「霜爺ジャック」の物語が、クラシカルでかっちりとした絵とともにおさめられ、後半には、その解説「冬の王さまとサンタクロース現象」と、エッセイ「サンタクロース・エイジ」がおさめられています。 150年前の素朴でゆっくりとした世界に、サンタクロースを信じていた子どものあの頃に、この小さな絵本といっしょに戻ってみませんか。
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150年前にハンブルクで発行された、「サンタクロース」の原形のひとつである「冬じいさん」の最初期の物語。 「シェイプブック」とよばれているこの絵本(原書)は、表と裏とに人物が切り抜かれた形になっているそうです。 「クリスマス・ツリーにつりさげる靴下に、プレゼントと共に、忍ばせる工夫をこらしたに違いありません」 と、解説で説明してくださっています。 なんて粋な絵本だったのでしょう!
日本語版は四角くて、およそ縦19センチ×横11センチの、細長いこぶりの愛らしい絵本。 厳しい冬を擬人化したともいえる、冬の王さまとそのしもべ霜爺ジャックのお話が前半に、そのくわしい解説が後半におさめられています。 前半のお話に添えられたかっちりとした小さなイラストは、クラシカルな線画にセピア調の落ち着いた色彩が施され、陰影も背景も、当時の人々の暮らしぶりや自然観も、きっちりと描きこんだ誠実な美しさ。
霜爺ジャックは冬の王さまの忠実な家来。 いっしょうけんめいつかえてる。 ラズベリー色の赤い花。 雪のような白いひげ。
王さまのお気に召す鏡は、霜爺ジャックにしかつくれない。 川や湖を見事な氷の鏡に変えて、 木の枝を虹色のつららで光らせて、 家の窓を氷の花でかざります。
王さまは霜爺ジャックに命じます。 「父さんや母さんのところにいって聞いてきてはくれまいか。 『子どもたちはこの一年よいこにしていたか』ということを。」 よい子には王さまからプレゼントの飾られたツリーを。 悪い子には女王さまから細いむちを。 ・・・
冬の厳しさ美しさを子どもたちにやさしく伝える150年前の絵本を、海も時もこえて、心に残る解説とともに、今遠い日本で読めるなんて幸せですよね。地味ですが、愛しい絵本。
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